ジョゼフ・ベルナール(1866-1931)は、マイヨール(1861-1944)やブールデル(1861-1929)とともに、ロダン(1840-1917)の次世代を代表する重要なフランスの彫刻家です。直彫りによる単純化された緊張感のある純粋な形態と、極めて感覚的で優雅な装飾性がベルナールの芸術の特質と言うことができるでしょう。
《母と子》は、ベルナールの裸婦像の中でも最もよく知られている作品です。彼は1912年頃にこの作品の小像を粘土で制作してブロンズに鋳造し、その後間もなく等身大の石膏像も制作していましたが、1925年、あらためてこの石膏像に手を加えてサロン・ドートンヌに出品しました。ベルナールは、大理石像の仕上げと同じように、石膏の表面を磨き上げて平滑にすることを好みましたが、この作品にも同じ技法が用いられているようです。
この《母と子》の等身大完成作には九点のブロンズが知られていますが、そのうち金色に仕上げられたものは一点だけです。そして、それをある日本人が生前のベルナールから直接購入したことが判っています。本ブロンズがその金色の像に該当することは間違いないでしょう。
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